十三参りとは数え年で13歳になったときに、子供から大人への成長をお祝いする儀式です。
もともと関西地方の風習だったということもあり、お宮参りや七五三と比べるとマイナーに感じますが、近年ではお子さんの成長の記念に十三参りを行うご家庭が増えているそう。
この記事では十三参りの基本的な意味や、御祈祷を受ける時期、マナーなどをご紹介します。
そもそも十三参りって何?
十三参りの意味は?
京都だけ?東京ではやらないの?
十三参りは子供の成長と成人をお祝いする儀式のことです。現代の感覚だと、12歳で成人式を迎えるのは早すぎる気がしますが、昔の成人式にあたる元服を行うのが12~16歳ごろ。今よりずっと早くから大人の仲間入りをしていたのですね。
十三参りの由来は、平安時代(862年)に、わずか9歳で天皇に即位することになった「清和天皇」が数え年で13歳を迎え、その成人を祝う儀式を行ったことが始まりとされています。
この儀式が京都嵐山にある法輪寺で行われたことから、京都では古くから法輪寺で十三参りを行っていました。また、京都だけではなく大阪や奈良など関西地方と東北地方の一部でも一般的な儀礼で、沖縄もルーツは違いますが「十三祝い」としてお祝いをするご家庭が多いそうです。
このように十三参りは関西など一部の地域で行われていた風習でしたが、徐々に広まり東京など各地で行われることが増えています。
現代ではお寺に限らず神社でも十三参りの御祈祷を受けられるとことが増えています。ただ、もともとは限られた地域の風習だったので、関西以外で御祈祷を受けたい場合は、事前に神社やお寺に確認をするとよいでしょう。
十三参りの時期はいつ?
漢字は何を書くの?
古来、十三参りは旧暦の3月13日に行われていました。現在法輪寺ではお参りの時期を、新暦の3月13日〜5月13日頃を目安としています。小学校を卒業して、中学校に入学する春に詣でる方が多いようです。ただ時期についても、現代ではほとんど決まりがなくなり、兄弟の七五三に合わせて秋に行ったり、卒業入学と忙しい時期を避け満13歳を迎えてから行ったり、ご家庭の事情に合わせて臨機応変に対応していることが多いようです。
ちなみに京都の法輪寺には、人々に知恵を授ける仏さま、虚空蔵菩薩(愛称:こくぞうさん)が祀られており、智慧と福徳の御利益を授かりにいくという意味もあります。そのため十三参りは、「知恵詣り(ちえまいり)」や「知恵もらい」とも呼ばれています。
このことから昔は、十三参りの際に虚空蔵菩薩へ写経を奉納していました。現在ではこれが略式となり、好きな漢字を一字書いた「一字写経」をしてお寺や神社に奉納しています。書く漢字に特に決まりはないので、今後の目標や、授かりたいご利益に関連する漢字をしたためるとよいでしょう。
十三参りには何を着ていくの?
帰りは振り返らないってどういうこと?
十三参りの服装は男女共に大人の「本裁ち(ほんだち)」の着物を着用します。男子は紋付袴、女子は中振袖の着物を肩上げをして着用し、十三参りが終わったら肩上げを外します。昔はこの時期に、髪型も子供から大人のものに変えたり、幼名から大人の名前に変わったりしたそうです。
また、十三参りにはあるジンクスがあります。京都・法輪寺で御祈祷を受け終わった後は、石段を下った先にある渡月橋を渡り切るまで振り返ってはいけないというものです。その前に振り返ってしまうと授かった知恵・福徳が消えてしまうのだとか。
このため、他の神社やお寺で御祈祷を受けた際にも参道などを出る前には振り返らないという暗黙のルールが生まれました。せっかく授かった知恵と福徳。しっかり持ち帰りましょう!
また神社で御祈祷を受ける際も、知恵と福徳の御神徳のある神様が祀られていると嬉しいですね。当サイトのタグでは、「学業成就」が知恵の御神徳にあたります。十三参りができる神社をリンクにまとめたので、チェックしてみてください。
御祈祷までの流れ
御祈祷を受ける神社を決める
御祈祷を受ける神社を探します。御祈祷を受ける神社が決まったら、御祈祷予約は必要か、初穂料は決まっているかなど事前に確認をしましょう。
日程を決める
3月13日〜5月13日頃を目安とされていますが、子供の成長を祝うことが目的ですので、御祈祷を受ける時期に決まりはありません。小学校を卒業して、中学校に入学する春休みのタイミングに詣でる方が多いようです。
好きな漢字を一文字書きます
神社に奉納するための、好きな漢字を一字書きます。半紙や色紙に書くことが多いですが、神社の場合は御祈祷がメインですので、漢字を奉納しないことがあります。神社によってルールがないか事前に確認するとよいでしょう。
神社での御祈祷
神社で御祈祷を受けます。
御祈祷のおおまかな流れ
- 社務所や授与所で受付、初穂料を納める
- 待合室で順番を待つ
- 拝殿へ移動し、ご祈祷を受ける
- 神職様が祝詞をあげる
- 玉串を奉納し、お参りをする
- ご祈祷終了後、授与品などを受け取る
※細かい流れは各神社によって異なります。
十三参りの御祈祷マナー
御初穂料(御祈祷料)の相場は?
初穂料(祈祷料)の相場は5,000円ほどですが、神社によって違いがあります。3,000~10,000円と幅がありますので、事前に確認をしましょう。また、初穂料は事前に調べて準備し、神社の申込用紙に添えて支払うのがよいでしょう。
のし袋の書き方は?
初穂料(祈祷料)はのし袋に入れて納めましょう。上部に「御初穂料」と書き、下部に自分の氏名を記入します。
ちなみに上部については、「初穂料」「御神前」「御供」「御榊料」「御玉串料」「御神饌料」「奉献」「奉納」「上」と書くこともあります。地域や神社によって違いはありますが、特に決まりを聞いたことがなければ「御初穂料」と書くのが無難でしょう。
のし袋の種類は、蝶結びになっている紅白の水引のついたものをお選びください。水引は印刷でも問題ありません。用意ができなかった場合は封筒に入れても良いですが、お札を裸のまま奉納することは失礼になりますので避けましょう。
初穂料は神様への奉納になりますので、できれば新札を用意しましょう。新札が用意できなかった場合は、なるべく綺麗なお札を選びましょう。封筒の中に入れるときは、表側に人物が印刷されている面を向けるのがマナーです。また、のし袋に入れた金額は、内袋かのし袋の裏に記入してください。
御祈祷を受けるとき、付き添いの両親・兄弟の服装はどうしたらいい?
神前で御祈祷を受けるので、基本的には正装もしくは、セミフォーマルな恰好が好ましいです。同行するご兄弟が学生で制服がある場合は、制服が正装になりますので、制服を着ていくのがよいでしょう。
大人の場合、男性は黒・グレー・紺などのスーツ。女性はスーツやワンピースがおすすめです。ただし、服装について指定があるわけではありませんので、用意がなければ綺麗めの平服で構いません。しかし、露出の高い服や派手な装飾品などは、神様に対して失礼になってしまうので避けましょう。
十三参りで子どもの成長をお祝いしよう!
もともとは京都の法輪寺が発祥の「十三参り」ですが、小学生から中学生に成長した子どもの成長をお祝いしたいという気持ちは全国共通。こうして各地で十三参りの文化が広まっているのは嬉しいことですね。
中学生になった子どもは一気に大人へ成長していきます。我が子のまだほんの少し残ったあどけなさを、十三参りでおもいっきり愛でて、写真や動画にたくさん収めたいものですね!!
あまはしでは十三参りの御祈祷を受けることができる神社を検索することができます。ぜひ思い出作りにお役立てください。