冬の寒い時期に訪れる受験シーズン。中学受験、高校受験、大学受験など自分の合格祈願はもちろん、息子さんや娘さんの受験合格のためにもご利益のある神社に訪れたいですよね。
この記事では「学問の神様」として有名な菅原道真(天神様)についてと、資格合格やオーディション合格など、学校受験とは少し異なる合格祈願についても見ていきましょう。
天神様ってどんな神様?
菅原道真が天神様になるまで
「学問の神様」として有名なのは、なんといっても「菅原道真」でしょう。平安時代の政治家で、貴族の出身ではないにもかかわらず右大臣にまで上り詰めた人物です。
しかし、それに嫉妬した人々の手により、無実の罪で太宰府へ左遷。そこで菅原道真は病にかかり、不遇の死を遂げてしまいます。
すると都では、疫病や天変地異が起こり、菅原道真の左遷に関わった人物が次々と亡くなる不幸が立て続けに起こりました。しまいには、皇居に雷が直撃。これを人々は「道真の祟り」として恐れました。
その怒りを鎮めるために、菅原道真は「天神様」として祀られるようになったのです。
今では「学問の神様」として愛される菅原道真
菅原道真が埋葬された「太宰府天満宮」や、都で好んだ場所だったをのお告げがあった「北野天満宮」が有名です。やがて天神信仰は日本各地に広まり、今では天神様を祀る神社は1万2000社を数えるまでになりました。
全国の天満宮には菅原道真が生前こよなく愛したという梅の木が植えられ、 神紋(神社の家紋)にも梅が使われています。菅原道真が5歳の時に歌ったという「美しや 紅の色なる梅の花 あこが顔にも つけたくぞある」という可愛らしい歌も有名ですね。
天神様の怒りが鎮まった現代では、菅原道真が元々得意であった学問のご利益にあやかろうと、全国の天満宮・天神・天神社などで、受験生が合格祈願のために訪れ、毎年賑わいを見せています。
天神様の他にもたくさん。合格祈願の神様
また天神様の他にも、合格祈願の御神徳のある神様はたくさんいらっしゃいます。ここでは受験を含め、資格試験や昇級試験など各種合格の御神徳がある神様を軽くご紹介いたします。
八岐大蛇との戦いに勝利をおさめ、日本ではじめての和歌を残した天王様・祇園様(須佐之男命)、勝負ごとに強い文武両道の八幡様(応神天皇)、祝詞・出世の神の春日様(天児屋命)、初代神武天皇を導いた八咫烏を神使とする熊野様、道を示す猿田彦神、高天原の頭脳・思金神、桜咲く・浅間様(木花佐久夜毘売)などなど…日本には明るい未来を応援してくれる神様がいっぱい。
また、オーディションなどの試験には芸能の神様といわれる天宇受賣命、免許試験には、猿田彦神や熊野様、昇格・昇進試験には春日様、船舶試験には住吉様・宗像三女神など、試験内容とゆかりのある神様を探すのもよいでしょう。
ビビッとくる神様に不安な気持ちやお願いを聞いてもらい、多くの方が合格をつかめますように!
御祈祷までの流れ
御祈祷を受ける神社を決める
御祈祷を受ける神社を探します。御祈祷を受ける神社が決まったら、御祈祷予約は必要か、初穂料は決まっているかなど事前に確認をしましょう。
日程を決める
御祈祷を受けるタイミングに決まりはありません。受験の約1年前や新学期に気合を入れるために御祈祷を受けたり、試験直前の最後の神頼みで御祈祷を受ける方も少なくありません。ただ、受験シーズンは込み合うので、コロナやインフルエンザのリスクを避けて、少し早めに御祈祷を受けるとよいでしょう。日取りは、大安、友引、先勝の午前、先負の午後など、縁起の良い日を選ばれる方が多いようです。
神社でのご祈祷
神社で御祈祷を受けます。
御祈祷のおおまかな流れ
- 社務所や授与所で受付、初穂料を納める
- 待合室で順番を待つ
- 拝殿へ移動し、ご祈祷を受ける
- 神職様が祝詞をあげる
- 玉串を奉納し、お参りをする
- ご祈祷終了後、授与品などを受け取る
※細かい流れは各神社によって異なります。
合格祈願の御祈祷マナー
御初穂料(御祈祷料)の相場は?
初穂料(祈祷料)の相場は5,000円ほどですが、神社によって違いがあります。3,000~10,000円と幅がありますので、事前に確認をしましょう。また、初穂料は事前に調べて準備し、神社の申込用紙に添えて支払うのがよいでしょう。
のし袋の書き方は?
初穂料(祈祷料)はのし袋に入れて納めましょう。上部に「御初穂料」と書き、下部に自分の氏名を記入します。
ちなみに上部については、「初穂料」「御神前」「御供」「御榊料」「御玉串料」「御神饌料」「奉献」「奉納」「上」と書くこともあります。地域や神社によって違いはありますが、特に決まりを聞いたことがなければ「御初穂料」と書くのが無難でしょう。
のし袋の種類は、蝶結びになっている紅白の水引のついたものをお選びください。水引は印刷でも問題ありません。用意ができなかった場合は封筒に入れても良いですが、お札を裸のまま奉納することは失礼になりますので避けましょう。
初穂料は神様への奉納になりますので、できれば新札を用意しましょう。新札が用意できなかった場合は、なるべく綺麗なお札を選びましょう。封筒の中に入れるときは、表側に人物が印刷されている面を向けるのがマナーです。また、のし袋に入れた金額は、内袋かのし袋の裏に記入してください。
御祈祷を受けるときの服装はどうしたらいい?
神前で御祈祷を受けるので、基本的には正装もしくは、セミフォーマルな恰好が好ましいです。学生で制服がある場合は、制服が正装になりますので、制服を着ていくのがよいでしょう。
大人の場合、男性は黒・グレー・紺などのスーツ。女性はスーツやワンピースがおすすめです。ただし、服装について指定があるわけではありませんので、用意がなければ綺麗めの平服で構いません。しかし、露出の高い服や派手な装飾品などは、神様に対して失礼になってしまうので避けましょう。
日本には未来を応援してくれる神様がいっぱい!
天神様はもちろん、日本には若人の未来を応援してくれる神様がたくさんいらっしゃいます。
気になる神社があったら、ぜひチェックしてみてください!